華-ハナ-
「いつ来たの?」


「ついさっきだよ。それより、絢華、誕生日おめでとう」


「ありがとう」



今日9月24日は、あたしの28才の誕生日。


そして……


お母さんの、命日。


だから、こうやってお墓参りに来た。


まだろうそくもお線香も出されていないところを見ると、ほんとについさっき来たんだということがわかる。


お父さんがお墓を洗い始めたのを見て、あたしもその隣で優太のお墓を洗う。


今日は汗ばむほど暑いから、子供たちもここぞとばかりに、水を触りたがる。


まあ圭介の場合は、暑くても寒くても関係ないんだけど。



「お母さん、オレも一緒にやるよ」



そう言って、蒼太は柄杓で水を掬い、さすがに上までは届かないので、側面を洗い流した。



「蒼太、ありがとう。きっとパパも喜んでるね」
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