華-ハナ-
ほんとに心から愛した人を失った哀しみ……


確かに、身をもって体験した人にしか、わからないのかもしれない。


そういう意味では、お父さんとあたしは凄くわかり合えるんだろうな。



「そういえば、お母さんが半分引き取ったんだって?」



蒼太が一生懸命磨いている墓石を見ながら、お父さんが口を開いた。


半分……?


あ……



「うん。全然知らなかったみたいで、自分のことをひどく責めてた」



あたしのお父さんが見つかるかもしれないと思ったときに、優太の両親も探したいって思った。


それを、舜とお父さんが協力してくれて……


優太のお父さんもお母さんも見つかったんだ。


でも――…
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