華-ハナ-
お父さんは、全く耳を貸さなくて……


すぐに追い返されてしまった。


優太がお父さんと二人で暮らしていた時、きっと寂しい思いをしていたんだろうなって、今になってそう思った。


そして、それに気付いてあげられなかったことに、凄く胸が痛くなった。


そのあとすぐに、お母さんが見つかって……


お母さんは、無理矢理優太と離れ離れにされたらしく……


優太を迎えに来る時は、お父さんとやり直す時だと言われたらしい。


そのつもりのなかったお母さんは、結局一度も優太に会いに来なかった。


でもまさか、優太が高校生の時に、一人残されてしまっていたなんて、思いもしなくて……


こんなことなら、様子を見にこればよかったと、後悔しているようだった。
< 237 / 247 >

この作品をシェア

pagetop