華-ハナ-
未来へ

あたしの視線はずっとそらされることなく、綺麗に彫られた優太の名前を見つめていた。


ふと視線をずらすと、いつの間にかお線香やろうそくに、火が灯されていた。


お母さんに手を合わせたあと、優太の墓石の前にしゃがむ。


優太のお母さんが見つかったとき、もしかしたら優太はお母さんに引き取られた方が幸せだったのかもしれないと思った。


でも、もしそうなっていたら、あたしは優太とは出会えていなかった。


自惚れかもしれないけれど、優太があたしと一緒に過ごしていた時間は、きっと幸せだったんじゃないかと思う。


こうやって22才でこの世を去ったことは、凄く辛くて悲しい出来事だったけれど、一緒に過ごせた時間は、あたしにとっては一生の宝物なんだ。
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