華-ハナ-
お腹にそっと手を当てながら、ゆっくりと立ち上がる。



「絢華、大丈夫?」


「うん」





数日前にわかったこと……


お腹に新しい命が宿った。


舜との、新しい命。




優太を失ってから、もう二度と人を愛することなんて、できないと思っていた。


でも……


舜と出会えて……


舜の温かさに触れて……


あたしはいつの間にか、また恋をしていた。



優太との未来は壊れてしまったけれど……


舜との未来は、永遠にある……


そう思える。



だって、舜がそう言ってくれたから。
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