華-ハナ-
あれからはや一年……


今では、五人での生活が当たり前になっている。


それが普通だと言われればそれまでだけれど、いつ何が起こるか分からないと思っている自分もいる。


そんなことは思いたくないけれど、たった一瞬で幸せが壊れることを知っているから。


でもやっぱり……


いつだって、その時その時の幸せは感じていたいし、永遠に続くものだって信じたい。






大きなホールケーキを目の前に、圭介が我慢できなくなったのか、鷲掴みしそうな勢いでケーキに近づく。



「圭介ッ!ダメッ!」



慌てて止めるけれど……


ケーキに指がかすった。


その瞬間、圭介は“キャハッ”と笑って、その指を舐めた。


そんな圭介の姿に……


ここにいるみんなに笑みがこぼれた。



子供達の笑顔は、あたし達を笑顔にする。


この笑顔が元気の源なんだ。
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