華-ハナ-
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二月に入って、圭介を保育園へ預け、あたしは職場復帰した。


久しぶりに働くと結構疲れる。



よく考えると、優太が亡くなってから舜と結婚するまでの約五年……


あたしはシングルマザーとして、一人で働いて、家事して、子育てしてきた。


あの頃は、ただ“優太が残してくれた蒼太と優華を幸せにしなきゃ”という思いだけで、一人で頑張ってきた。


一人の時は疲れなんて、ほとんど感じなかった。


感じていても、そんなことにかまってられなかった。


でも……


今は助けてくれる舜がいるのに……


一人じゃないのに……


こんなに疲れを感じるって……


年齢を重ねたから?



ううん、違う。



たぶん……


あたしは、全身で支えてくれてる舜を頼ってるから。



だから……


自分一人でやらなくてもいい。


舜に頼っていけばいい。


そんな思いが、あたしの気持ちを楽にさせてくれる。


支えてくれる人がいるって……


ほんとに心強いんだな。
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