華-ﾊﾅ-

.



「ママ、ゆうかね、ひかるくんにチョコレートをあげたいの」


「チョコレート？……あ、もうすぐバレンタインだね。そっか……うん、ママと一緒にチョコレート作ろうか？」


「うん！」


「じゃあさ、お父さんとお兄ちゃんと圭介とパパとおじいちゃんの分も一緒に作っちゃおう？」


「うん！あと、まことくんもあげる」


「そうだね」



あはは、誠くんのこと、忘れてた。


バレたら怒られそう。



今年のバレンタインは月曜日。


だから、日曜の昼間、舜に蒼太と圭介を連れ出してもらって……


その間に作ればいいかな。


優華も、好きな男の子にあげたいって思う年頃になったんだな。


あたしなんて、中一で初恋だったから、こんな幼少期の初々しい思い出ってないもんな。


優華がちょっぴりうらやましいかも。