華-ハナ-
家に帰ると、蒼太が袋いっぱいのチョコレートを持って帰ってきていた。


そういえば、保育園の頃からずっともらってる蒼太。


そのたびに、優太もこうやってもらってたんだろうな……


って、幼少期の優太にも嫉妬したりしてた。



「ただいま」


「おかえりなさい」



圭介を抱きながら、玄関まで走ると……



「それ何?もしかして」



舜が右手に持ってる袋が気になる。



「バレンタインだって」


「……」



やっぱり。


何でもらってきちゃうの?


わっ、ヤバいっ!


あたし、27にもなって嫉妬してるし。


ここは妻の余裕を見せなきゃならない?


うぅ、無理だ。


嫌なものは嫌なんだもん。


あー、顔に出ちゃうよ。


どうしよう。



「絢華?どうした?」



ほら、気付かれた。



「お父さん、お母さんがいるんだから、チョコはもらってきちゃダメだよ」



横から助け船……


って……えっ!?
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