華-ハナ-
「蒼太!?」



小二の子供が言う言葉じゃなくない?


まるで……


優太が言ってるみたい。



そういえば……


優太はバレンタインのチョコを、持って帰ってきたことがなかった。


優太がもらわなかったなんてありえないから、受け取らなかったのか、


もしくは、あたしには見せなかっただけなのか。



「ごめん」


「え」


「俺、無神経だったな。……蒼太、優華、これはおまえらにやる」


「わーい!」



と言った優華とは対照的に、蒼太は



「オレ、いらない。こんなにあるし」


「蒼太は相変わらずすげぇな」



舜が袋の中を覗き込んで、目を見開いている。


昨年もいっぱいもらってたもんね。



「でも舜、お返しはしなきゃならないから、もらった人のこと、ちゃんとメモっといてよ?」


「ん、わかった」
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