華-ハナ-
「智也、御愁傷様。ほんとは今日、新城に会えるの、楽しみにしてたんだよな?」


「おまっ、バラすなよ!」



いや、バラさなくても見てれば分かるけど。



「おまえだって、須藤に会えるのを楽しみにしてただろ?」


「まあな、でも、おまえとは違う想いだよ」



違う想い?


首をかしげていると



「マーマー!」



という、場違いな声が聞こえてきた。


てか、この声……


そのまま振り返ると



「あ、圭介」



舜に抱かれた圭介が、こっちに向かって手を振っていた。


気付いたら目の前にいて……



「ごめん。入るつもりはなかったんだけどさ、圭介が泣き喚いて。入口にいたら、見るに見兼ねてか、関係者の人が中に通してくれたんだ」


「あはは、そうなんだ。圭介ー、どうしたの?」



そう言いながら圭介を抱く。



「まんま、まんま」
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