華-ハナ-
「やっぱりママが一番だね」



あたしがそう言うと、舜が



「圭介もだよな」



なんて、溜め息混じりに言ってる。



「ふふ、ママから産まれてきたから仕方ないよね?」



と、口いっぱいに食べ物を詰め込んでいる圭介に言ってみるけれど……


圭介は食べることに夢中だし……


圭介だけは、ママよりも食べ物の方がいいんじゃないかなと思ってしまう、今日この頃。



「あれ?何で舜がいんだよ。蒼太も優華も、……圭介もいるじゃん」



坂井くんと話していた誠くんが、こっちへやってきた。



「あ、兄貴。圭介が泣き止まなくてさ」


「おまえの子だろうが」


「うるせぇ」



なんて、口を尖らせている舜がちょっぴりカワイイ。



「ちょっと待った!」


「は、葉山くん!?何?」



突然、大きな声を上げるからびっくりしてしまった。



「須藤、さっきさ、……佐伯って言ったよな?兄弟?」



舜と誠くんを見比べながら、聞いてくる。



「え、うん」
< 39 / 247 >

この作品をシェア

pagetop