華-ハナ-
卒業式……


みんなの前でキスして……



『おいおまえら、絢華にはぜってぇに手ぇ出すなよ!俺の女だからな!』



と大声で言い放った。



「紗羽、ここにバカが二人もいたじゃん」



黒川くんが口を挟む。



「そうだった。いたんだった、バカが二人も」


「おまえら、二人そろうとろくなこと言わねぇよな?」



確かにいつも、紗羽と黒川くんがつるんで、みんなを言い負かしてた気がする。



「そういや、新城も結婚したんだろ?」



誠くんが思い出したように口を開く。



「うん」



そう言って、紗羽は蓮くんと涼夏をみんなに紹介していた。


黒川くんの落ち込みようは半端なかった。


可哀想に。



「ねぇ紗羽、今日はうちに泊まっていく?」


「どうしようかな。実家行こうかと思ってたけど……やっぱり絢華んちに行こうかな。でもいいの?」


「いいよ、ねぇ舜?」


「ん、もちろん」



結局三人はうちに泊まって、賑やかな夜を過ごした。
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