華-ハナ-
“家族みんなが元気に過ごせますように”



優太を亡くしてからは特に、ただ生きていられることが、どんなに幸せなことだったのかってわかった。


ほんとに平凡でいいんだ。


愛する人と、愛する子供達がいれば……


でも、時々不安になる。


生まれた時から親がいなかったあたし。


“いなかった”っていう言い方は間違ってるか。


あたしが生まれたのと同時に、母は息をひきとった。


母はもともとシングルマザーだったから、あたしには親がいなくなった。


だから、あたしが19才の時におばあちゃんが亡くなるまで、ずっとおばあちゃんがあたしの親代わりだった。
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