華-ハナ-
「ごめんなさい」


「……」



川越さんは、眉間に皺を寄せて、顔を歪めた。


当然だよね。



「そりゃそうだよな。娘がいるってことは、……華は結婚してるんだろ?だったら、どこの誰だかわからねぇようなヤツに、会わせるわけないよな」



違う。



「でも、俺は諦めないから。何度でも会いに来る」








「はぁー」


「九回目」


「えっ?」


「絢華の溜め息」



子供達が寝静まったあと、テレビを見ていたんだけど、あたしは知らぬ間に溜め息ばかりついていたらしい。



「なんかあった?」



舜には、川越さんのことは何も話していなかった。


あたしがお母さんのことを、ほとんど知らないから……


舜にお母さんのことを話したことも……


ないに等しい。


だから……


お母さんの知り合いに会ったって言っても……
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