華-ハナ-
「俺じゃ……頼りない?」


「ちがっ…」


「もしさ、……もし、優太さんが生きてたら……」


「えっ」



優太?


なんで、……今、優太?



「優太さんになら、……話せてるんだろうな」


「舜?」



痛いくらいに、胸が締め付けられた。


確かに……


優太になら……


すぐに言っていたと思う。


でもそれは……


親がいないっていう、同じ境遇だからで……


だけど……


舜にとっては、そんなの関係ないって思ってるよね。



「ごめん。俺が自分で言ったのにな。“優太さんは特別だから”って。……でも実際は、こうやって、小さなことで、嫉妬したりしてしまう」


「舜?」


「優太さんが一番でいい、俺は二番でいい……なんて言ったけど。……やっぱり俺、カッコ良くなりきれねぇや」



涙が出てきた。
< 57 / 247 >

この作品をシェア

pagetop