華-ハナ-
「舜」


「ん?」


「ぎゅってして?」



そう言うと、舜は包み込むようにぎゅっと抱き締めてくれた。


目の前にある舜の胸に耳をあてて目を閉じる。


凄く落ち着く。



「絢華」


「ん?」


「……シよっか?」


「は?」



今、そういう流れだっけ?


舜は抱き締めていた腕の力を緩めて、あたしの顔を覗き込んできた。



「絢華」


「ん?」



至近距離で、視線が絡む。


舜と付き合いはじめて三年半……


結婚して一年九ヶ月……


こういう状況になると、いまだにどきどきする。



「……愛してる」



胸がトクンッと大きく跳ねた。


その瞬間、舜の唇があたしのそれと重なった。


やさしいキスが、いつのまにか深いキスに変わり……


あたしも、いつのまにか舜を求めていて……


気付いたら、舜と身体を重ねていた――…
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