華-ハナ-
.



「いい天気だね」


「そうだな。良かったよ、晴れて」


「うん」



今日は優華の卒園式。


六年半という長い期間、通った保育園。


絶対に泣く。


自信ある。




優華を保育園に預けたのは、たった二ヵ月の時。


優太が亡くなって、四ヶ月が経った頃だった。


あの当時は、ほんとに辛かった。


優太がいなくなったことはもちろんだけれど……


まだ首もすわっていない小さい子を預けるなんて、あたしの中じゃ考えられなかったから。


毎日“ごめんね”って言っていた気がする。



「絢華、何泣いてんだよ。まだ始まってもねぇよ」


「うん」



始まるどころか、まだ保育園にも着いてない。


今日はあたし、どうなっちゃうんだろう。
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