華-ハナ-
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式が始まって、ハニカミながら入場してくる優華に笑みがこぼれたけれど、それと同時に……


涙もこぼれた――…


壇上に上がり、元気に歌を歌ったり、大きな声で詞(コトバ)を発したりするのを聞いて……


やっぱり……


涙が止まらない。



蒼太はほんとに優太にそっくりだけれど、こうやって、少し離れて見ると……


優華だって……


優太にそっくり。


今、舜との生活が当たり前で、この生活を失うことは考えられないけれど……


ここに優太もいてほしかったって……


優太にも、優華の晴れ姿を見てほしかったって……


そう思うことは……


ズルいことなのかな?
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