華-ハナ-
優華が保育証書を受け取る姿を見て、中学の卒業式で、優太が卒業証書を受け取っていた姿を思い出した。


あの時も……


あたしはこうやって……


涙をぽろぽろと流していた。


涙が邪魔で、優太の姿も滲んでいた。


今の優華の姿は、滲ませないでちゃんと見たい。


ハンカチで涙を拭いて……


優華を見つめる。



優華、おめでとう。


きっと、パパは近くで見てる。


優華の晴れ姿を見てくれてるよ。



式は進んで……


子供が母親に花束を渡す場面がやってきた。


これはヤバいなぁ。


蒼太の時も号泣したんだ。


優華が正面に立って、そのままあたしのところへやってきた。



「ママ、いつもおいしいごはんをつくってくれてありがとう」



そう言われて、手渡された花束。



「優華、ありがとう」



そう言って、優華のことをぎゅっと抱き締めた。




そのあとはもう……


涙しか出なかった――…
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