華-ハナ-
ちらほらと着物を着たお母さんがいる。


あたしも着物を着ればよかったな。


蒼太の時は着たんだけど、今回は圭介もいるから、朝が慌ただしくてやめておいた。


しばらくすると、在校生も体育館へ入ってきた。



「あ、蒼太だ」


「え?どこ?」



舜が蒼太のいる場所を指差す。



「あ、ほんとだ!」



隣の友達と楽しそうにしゃべってる。


こっちに気付かないかな。


なんて思っていたら、タイミングよく蒼太が振り返った。


手を振ると、ちょっぴり照れ臭そうに手を振り返してくれた。


いつまでこうやって手を振り返してくれるのかな。






式が始まって、優華が入場してきた。


少し緊張気味の優華が、凄く可愛い。


でも、ヤバいっ。


目頭が熱くなってきた。
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