華-ハナ-
あたしが会ったことのないお母さんのことを、この人たちは知ってるんだと思うと、胸がどきどきと音を立て始めた。


それより……


久美からは、お父さんが同級生だと聞いていたけれど、お母さんが知り合いだとは聞いていなかった。


でも今の言葉を聞くかぎり、お母さんも知っている様子。



「といっても、私はお話したことがないんだけどね」


「えっ」


「学年が二つ下だったの」



そうだったんだ。



「でも、知らない人はいなかったわよ、華さんのこと。とっても綺麗な方だったから。あなた、お名前は?」


「あ、はい。あたしは絢華です。母から一字もらったんです」


「素敵なお名前ね」


「ありがとうございます」



おじいちゃんとおばあちゃんが付けてくれた名前。


それを褒められると、やっぱり嬉しい。
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