華-ハナ-
「今、ここにはいないんだ」


「えっ」



ここには、いない?


話を聞くと……


その人は、県外の大学へ行き、そのままそこで就職して、家庭を持った。


近くにいないんだ。



「あいつとは高校一年くらいまで付き合ってたよ」



高校一年……


そうなんだ。



「もう時効だから言うけど……俺も華ちゃんのことが好きだったんだ」


「えっ!?」



ここで暴露しちゃってもいいの!?


そんな空気な中、



「ぷっ」



久美が笑いを堪え切れずか……


吹き出した。



「久美!?」


「だって、親子で失恋……あはは」



親子で、失恋?


あたしが首を傾げていると



「だって、和也も絢華のことが好きだったじゃん」



あ、そういうことね。
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