華-ハナ-
でも、その笑い……


お義父さんに対して失礼じゃない?




「おまえ、絢華さんのことが好きだったのか?」


「まあ、……でももう10年以上も前の話だよ」



そっか……


中学を卒業して、もう10年以上経つんだ。


早いなぁ……


なんて、懐かしんでいると……


お父さんが、さっきの口調とは明らかにトーンを落とした声で、口を開いた。



「同じ町にいたのに、華ちゃんが亡くなったこと……つい最近まで、知らなかったんだ」



えっ、そうなの?


予想外の言葉に、思わず目を見開いてしまった。



「昔から持病を抱えていたのは知ってたんだ。それが原因で?」



ほんとに、知らないんだ。
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