Love*Day
この町全てを見渡せれる
一言でいえば
「絶景だねぇ…すごい、綺麗…」
あたしは疲れてたのもすっかり忘れて
景色に見入った。
目の前には滑らかではあるが
高さはものすごいある崖だったけど
全然怖くなかった
それよりも、景色を楽しんでいたかった
「な?まぁもうちょっと見てろって」
「?」
しばらくすると、日がゆっくりと沈んでいく。
「あ…あそこって…」
「そう、あそこは海なんだよ」
わからなかった…15年間この町に住んでたのに
全然知らなかった。
海に夕日が映ったのを見て
初めて気が付いた
「すげー綺麗だろ?俺この時間のこの場所が一番好きなんだ。」
「…なんで?この時間限定?」
「…どんな時間でも絶景なんだけどさ、この時間だと
街全体がみんなオレンジ色に染まるだろ?
なんだか1つになってる感じがしてさ。
オレンジ自体も暖かい色だし……
ほら、俺とお前も…同じ色」
「はは…本当だ」
「小学生の時に友達とかくれんぼした時にここ見つけたんだ」
「へえ…見つかった??」
あたしは半笑いで聞くと
「ここがばれるのが嫌だったから、わざと見つかりやすい場所にいた。
ここだけは誰にも知られたくないって思ってたから。
誰にも言ってないんだよ?」
直輝はくしゃっとした笑顔を見せた。
その時、あたしの中で何かがムズっとした。
落ち着かなくて、むしょうに直輝に抱きつきたかった。