Love*Day


「俺…」


そう言って、あたしを平手打ちした


「……っ」


「手、出しにくくなるじゃん」


悲しそうな顔をしながら続ける


この男…

どこまで…どこまで腐ってるの…?


こいつはチャイムがなるちょっと前まで
あたし達を殴ったり、蹴ったりを繰り返していた


そして最後にあたしの髪の毛を引っ張って言った


「いいか?誰にも言うなよ?言ったら倍返しするからな?」


そう言い残して、片山は去っていった


「結衣…?ごめんね、あたしのせいで…。
大丈夫…?痛いよね…?」

「……」

絵里が話し掛けてきたけど、
あたしは返事をしなかった

というよりできなかった


痛くて仕方が無かったから

「…保健室いける…?」


絵里は心配そうに聞いてくる。
でも痛くて話すことすらできないんだから
自力で起き上がることなんて
尚更出来ない


「無理だよね…でも行った方がいい。あたし…肩貸すから」


へ…?


「…絵…里だって…、怪我…してる…。あた…しは…このまま…で」


痛くてちゃんとした日本語を話す事は出来なかった


単語を途切れ途切れ話す感じだった
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