切恋〜Tearheart〜
ピンポーン。

インターホンが鳴った。

心臓の音が早くなるのがわかった。

『はい』お母さんが
はらはらしながら開ける。

私は見ることができなかった。

お父さんが連れていかれる所を。

『佳奈ちゃんいるかねぇ?』

隣のおばちゃんだった。

お母さんは胸を撫で下ろしている。

私は冷や汗で
ビチョビチョになった
額に手をやって
息をはいた。

…よかった。

隣のおばちゃんは
私のために可愛らしいバッグをくれた。

ガチャッ

私は部屋に戻ると
もう一度
大きな息をはいた。

わざわざ
朝に渡してくれなくても
いいのに…。
なんて思ってしまった。

その時、また
ピンポーンと
インターホンがなった。

私は部屋の窓から見てしまった。

インターホンを押した人を。


全身青色に染めた人が二人。
そして手は白い手袋。

そぅ…。
警察官だった…。
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