羽をくれた君~side陸~【完】
手にコーヒーをこぼした奈緒を急いで水道まで連れて行き、水で冷やしてやった。
こいつホントどんくせぇ。
笑いを堪えるのが限界で、またしても俺は吹き出してしまった。
「っくっくっく・・・」
「え?」
「あんた・・・本当おもしれーな。狙ってるわけ??」
「な、何がですか?!」
「さっきの海岸でのことといい素・・だよな?あんたのそういうとこいいと思うけど・・緊張してんの?」
奈緒は本当にわかってないようだった。
こいつは他の女みてーに狙ってやってるわけじゃねんだな。
天然か・・・?
「え?だって・・・」
こいつの戸惑ってる顔、嫌いじゃねーかも。
からかいがいがあるな。
「大丈夫。あんたの考えてることなんてしねーから」
俺がそう言うと、一気に安堵の表情へと変わる。
なんか・・・もっといじめたくなんなぁ。