羽をくれた君~side陸~【完】
「今は・・・な?」
耳元で囁いてやると再び顔を紅潮させた。
そうそう、そう言う顔が見たいんだよね。
俺が笑うと奈緒もつられて笑っていた。
奈緒をロフトに寝せ、俺はソファに横になった。
しばらくすると上から寝息が聞こえてくる。
そっとロフトのはしごを上り、顔を覗くと口を開けて安心しきった表情で眠っていた。
俺の前でこんな顔するとは大した女だ・・・
なんか・・・調子狂うな。
とっととヤッて、さよならのはずだったんだが。
別にこいつをそういう対象で見れないとかではない。
まぁよく見るとフツーに可愛いし。
なのになんでだ・・・
性欲なくなってきたんか?
だとしたらヤベーな俺。
フッと笑い、下に降りようとした時、ふと目に入った。
手首に痣があった。どこかにぶつけたのかそれとも強く握られたのか。
さっき百合のダチに引っ張られてたがあんな一瞬の力じゃ痣なんかつかないはず。