羽をくれた君~side陸~【完】
数日後の夜、この日は城ヶ浜海岸付近を流す予定だった。
亮は栞と後から一緒に来ると言っていたので集合場所で会う予定だった。俺らはいつものように爆音を響かせながら沿岸を突っ走る。
今日は他の支部からも集まってきているので台数が多い。
直管な集合管の音がこだましている。
心地いい音だ。
しばらくしてガソスタに停まった時、メールが来ていた事に気付いた。奈緒からだった。
“今栞と一緒にいるんだけど、亮さんと連絡とれないらしいの。そっちにいますか?”
亮と連絡がとれない?
他の奴らに聞いても知らないと言う。
変な胸騒ぎがした。
奈緒に電話で、栞とアパートに帰ってろと伝えると、俺は来た道を引き返した。
あいつが最近喧嘩を吹っ掛けたと言ってたヤクザの下っ端。
聞いた話だとちょっとやっかいな奴らだった。
もし俺の読みが当たってたら・・・
俺はアクセル全開で亮の家へ向かった。