羽をくれた君~side陸~【完】
「ありがとー・・・」
小さくそう言って笑った瞬間、奈緒の目から涙がこぼれた。
それを見て胸が熱くなる。
この笑顔が見たかったのかもしれない。
ネックレスを付けてほしいと頼まれ、俺の目の前に来て後ろを向く奈緒。
小柄な体に華奢な首筋。
こいつ本当に無防備だな・・・
振り向いた瞬間、俺と数センチの距離にいた奈緒は、顔を真っ赤にして驚いていた。
慌てふためく奈緒をカワイイと思った。
「ど、・・どぉ?」
「別に・・・いんじゃね?」
ネックレスはすげー似合っていた。
最初にこいつを見た時、暗くてさえない女だと思ってたのに。
なんかどんどん綺麗になってってる気がする。
恥ずかしそうに微笑む奈緒の腕を引っ張り、キスをした。