羽をくれた君~side陸~【完】
キスなんて他の女と何度もした。
何にも感じないまるで人形としてるかのようなキスだった。
なのにこいつとしたキスはなんでこうも暖かいんだ?
奈緒は目を丸くしている。
・・・ムードはないが。
「大丈夫か?」
「あっう、うん」
「動揺してんの??」
「してないよッ」
いや、絶対してんだろ。
体が石のように硬くなっている。
顔を近づけただけで更に真赤になる。
面白いヤツだ。
ピンポーン・・・
インターホンが鳴り響く。
これさえなければ俺は奈緒を押し倒していた。
ピンポンピンポンピンポーン!!!
こんなにしつこく鳴らしてくるやつは・・・
玄関を開けると広樹が立っていた。