羽をくれた君~side陸~【完】
葛藤
日曜日の朝、奈緒は早起きして化粧をしていた。
髪を可愛らしいパステルカラーのリボンバレッタでまとめて、首には俺があげたネックレスをしている。
「はえーな。どっか行くのか?」
「あ、あー・・・うん。友達と遊びに行って来る!」
まごついた言い方が気になった。
何か隠しているのか?まさか男・・・なわけねーよな。
不審に思ったがそれ以上何も聞かない事にした。
たとえ男ができたとしても俺には関係ねぇ。
どーでもいいわ。
その方が手っとり早く切れて好都合。
なぜかイラついてる自分を隠し、単車にまたがった。
俺がいながらあいつに男ができるのは面白くない。
だからイラついてんだ。
きっとそうだろう。
ハンドルを握る手に力がこもる。
この日、いつも事務所まで20分かかる所が10分ほどで着いてしまった。