羽をくれた君~side陸~【完】
夢
首にはあの日、奈緒からもらった羽の形をしたシルバーネックレスが揺れている。
寝ている奈緒の手のひらを握ると、ぎゅっと握り返してきた。
「ん・・・陸さん?」
ソファでうたたねしていた奈緒が目を覚ました。
奈緒の寝ぼけ眼はそそられる。
「ど、どーしたの!?」
目の前に俺の顔があったからのか、驚いて起きあがった。
「いや、寝顔見てた。ヨダレ垂らしていびきかいてたぞ」
「え!????」
「うっそー。カワイイからずっと見入ってた」
奈緒の顔がどんどん紅潮していく。
「なぁ。俺ぇ、子供ほしーな」
「え!?」
「奈緒に似た女の子。そしたらすっげー可愛がる」
お前の子供なら男でも女でも構わないけど、絶対に俺のような思いはさせない。
だからきっと溺愛しちまうだろうな。
奈緒が驚いている。
俺がこんな事言うのがそんなにめずらしいのか?