羽をくれた君~side陸~【完】
後悔した事なんて山ほどあったし、全てが間違っていたと思っていた。
でもそれは百合が俺の側にいた事を全否定することになる。
百合と過ごした日々全てをなかったことになんかできない。
出逢って付き合えて、本当は良かったのだと、心のどこかで想っていたはずだ。
一人でも生きていけると思っていたあの頃。
誰よりも勝る力を持てば、強くなれると思っていたあの頃。
俺は本当の強さを知らなかった。
奈緒はブレない心を持っている。
傷つくことも恐れずに俺に向かってくる。
これが本物の強さなんだと気付かされた。
全てを話した日・・・
あの日お前は俺を丸ごと全部包みこんでくれたよな。