ティータイムは遊びの後で【完】
『じゃあ、ルールの説明ね?あそこに大きな木が見えるだろ?』
そう言うと、アレンは、ある方向を指さした。
…確かにその方向にはかなり大きな木が立っている。
『あの木に先にタッチしたほうが勝ちだよ?簡単だろ?』
ふふん、と楽しそうに笑うアレンは、シルクハットをきれいにかぶり直した。
『いつでもいいよ?マリアの合図でゲームスタートだからね?』
それだけ言い残すと、アレンは、ごろりと地面に横になって、寝息をたてはじめた。
…え?この状況で寝るの?
私は、ポカンとした表情でアレンを見つめた。
ヒラヒラ顔の前で手をふってみるが…
『本当に寝てる…』
スースーと、規則正しい寝息が聞こえるだけで目を覚ます気配すらない。