モノクロ
「お父さん!彩花!」

初めて聞いたお母さんの叫び声。それと同時に後ろと前から圧迫感。
それは、お父さんとお母さんが抱き締めてくれているのだとすぐにわかった。

「大丈夫、大丈夫よ彩花…お父さんとお母さんが守るからね」

耳元で優しく、優しく話しかけられ、私は二人の服を握りぎゅっと強く目を瞑った。

目を瞑り、早く終われ早く早く終われと何度も願った。





そして凄い音と共に地面に叩きつけられた。
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