モノクロ
起き上がろうと床に手をつき起き上がろうとしたが、どうもデコボコで中々それが出来ず、床を見てみた。

「おかあさん!」

私が床だと思って、全体重を掛けていたのは母の体だった。淡いピンクと白の服はどす黒い赤で染まっていて、私の手は紅く染まった。

「お父さん、」

どうにか頑張ってお母さんのからだから降りて、お父さんの体を揺する。

起きて、起きて
私だけじゃ何もできないよ

泣きながら必死に呼び続けた。
それでも皆起きてはくれなかった。
< 8 / 9 >

この作品をシェア

pagetop