ラピスラズリ
プロローグ
ドクン、ドクン、ドクン。
心臓の音がやけに大きく聞こえる。
カタカタと震える手足。
怖いのに、逃げ出せない。声が出せない。
蛇に睨まれた蛙みたいに、ただ、身体を竦ませて怯えるばかり。
「昨夜は、何で電話しなかった?」
「あっ…その、風邪気味で、早めに寝ちゃってて…っ」
しどろもどろに答えるものの、それは彼の怒りを煽っただけらしい。
バシン!!
思いっきり頬を張り飛ばされて、壁に叩きつけられる。
口に広がる鉄の味…
「ごめんなさい、ごめっ…ごめんなさい…っっ!!」
繰り返す謝罪は、自分が殴られる鈍い音にかき消される。
どうして、どうして、こんなことになったの…?
─『好きだよ、美緒』
祐司、どこにいるの?
あの頃の、優しかった祐司はどこ?
「美緒が悪い子だから、殴るんだよ?」
そうなのかな…私が悪いの?
私がちゃんとしてないから、殴られるの?
昨夜、電話をしなかったから?
服装が派手すぎるから?
化粧なんかしたから?
それって、こんな目に合わなきゃいけないくらい、悪いことなの?
痛みすら感じなくなってきた頃、ようやく遠のいていく意識。
あぁ、これで解放されるんだ…
目が覚めれば、いつもの祐司に会える。
心臓の音がやけに大きく聞こえる。
カタカタと震える手足。
怖いのに、逃げ出せない。声が出せない。
蛇に睨まれた蛙みたいに、ただ、身体を竦ませて怯えるばかり。
「昨夜は、何で電話しなかった?」
「あっ…その、風邪気味で、早めに寝ちゃってて…っ」
しどろもどろに答えるものの、それは彼の怒りを煽っただけらしい。
バシン!!
思いっきり頬を張り飛ばされて、壁に叩きつけられる。
口に広がる鉄の味…
「ごめんなさい、ごめっ…ごめんなさい…っっ!!」
繰り返す謝罪は、自分が殴られる鈍い音にかき消される。
どうして、どうして、こんなことになったの…?
─『好きだよ、美緒』
祐司、どこにいるの?
あの頃の、優しかった祐司はどこ?
「美緒が悪い子だから、殴るんだよ?」
そうなのかな…私が悪いの?
私がちゃんとしてないから、殴られるの?
昨夜、電話をしなかったから?
服装が派手すぎるから?
化粧なんかしたから?
それって、こんな目に合わなきゃいけないくらい、悪いことなの?
痛みすら感じなくなってきた頃、ようやく遠のいていく意識。
あぁ、これで解放されるんだ…
目が覚めれば、いつもの祐司に会える。