素直に・・・
返事もできずまま、立っていると

『急にこんなこと言われても困るよね。
 ごめんね・・・
 返事は急がないから
 気持ちが落ち着いたら返事を聞かせて。』


そう言って、携帯番号とアドレスを名刺に書いて
エレベーターに乗って行ってしまった。



私の気持ちは決まってる。
勿論、私も同じ気持ちだったから・・・
でも言えなかった。
こんなに嬉しいって思ってるのに・・・
素直になれない。

人のことなら言えるのに
自分のことになると臆病になる。


私があんなことを聞いたから、太田さんは告白してくれたのだろう。


玄関に座り、動けなくなってしまった。
< 20 / 41 >

この作品をシェア

pagetop