オレンジ色
「…んぱい、先輩っ!」

「?」

「追いついたー!あの、途中まで一緒に帰ってもいいですか?」

「え…あ、いいけど…」

「やった!ありがとうございます!!」


そう言って、僕に笑いかけた…えと、あかぎさん?だったっけ。

「先輩漕ぐの速いですねー」

「そう?」

「そうですよーあ、私の足が短いのか…!?」

「ぷっ、何だそれ」

今日会ったばかりの年上に自虐ネタを使ってくるとは…なんか面白い子だな

「今日は来てくださって本当にありがとうございましたー」

「いや、僕中学からコルネットやってるから…」

「え、じゃあ入部してくださるんですか!?」

「多分そうなるかな」

「いよっしゃあああ!ありがとうございます!!」


何だか賑やかだなあ…

「そういえば、先輩は何で大槻に入ったんですか?私立なのに…」

「兄がここの卒業生なんだ。それに、地元の荒れた公立行くより私立の方がいいと思って」

「ああー成る程~」

「親もそう言ってたしね」

「お勉強出来るんですねー」

「出来るってほどじゃないけどなあ…(笑)」

「またまたー(笑)あ、じゃあ私こっちなんで!これからよろしくお願いしますね!」

「あ、バイバーイ…」

「さよなら!!」


これが、僕たちの出会いだった。
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