ラピスラズリの恋人
「浮気なんてして、簡単に君との関係を終わらせるような奴から貰ったリングに、何の意味があると思う?そんな奴から貰ったリングから、君への気持ちが伝わって来る?」


見ず知らずの男にそんな事を言われて、簡単に共感出来るとは思わない。


「何より、そんなおざなりな気持ちでしか向き合ってくれない奴から貰ったリングは、君には似合わないよ」


こんな事を言われても、きっと余計なお世話だと思われるだけだろう。


「彼には、君は勿体ないよ」


それでも、身勝手な男には瑠花は勿体ないと思ったのは事実で、それを口にした。


程なくして、彼女が意を決したようにエンゲージリングを外した。


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