ラピスラズリの恋人
地下のバーに連れて行き、店員に頼んで奥の席へと案内して貰う。


他愛のない話を軽く交わした後、勝手に話に首を突っ込んだ事への謝罪を口にした。


俺が一方的に瑠花を知っているだけで、彼女は自分(オレ)の事を知らない。


本当は余計なお世話だと思われても仕方が無いのに、瑠花が俺を責める事は無かった。


「いえ……。あの……本当の事を言うと、彼とは別れなきゃいけないってわかってたんです。だから……上手く言えないけど、助けて貰った気もしてます。その、えっと……」


言葉に詰まった彼女に、まだ自分が名乗っていない事に気付く。


すぐに名前を告げると、瑠花が綺麗な唇を開いた。


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