ラピスラズリの恋人
「少し早かったかな?」


瑠花の会社の前に車を停めると、彼女がニッコリと笑った。


「いつもと同じくらいだし、ちょうどイイ時間です。送ってくれて、ありがとうございました」


「どういたしまして」


お礼を言った瑠花に、笑顔で返す。


もっとも、今日からの海外出張を口実に強引に家に泊まらせたのは自分(オレ)だから会社に送るのは当たり前だし、俺としては彼女と一緒に過ごせるのなら送迎くらい喜んでするんだけど…。


「俺がいない間に困った事があったら、英二や間宮を頼ればイイから」


「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」


瑠花は苦笑した後、柔らかい笑みを浮かべた。


< 35 / 100 >

この作品をシェア

pagetop