ラピスラズリの恋人
「瑠花さん、人気者ですね。木藤さんや間宮さんもですが、社長や奥様も大変気に入っておられるようですし」


「ライバルが多い、って事か」


冗談めかして返すと、相模がまたクスクスと笑った。


「専務、実は妬いていらっしゃるんでしょう?」


俺の心の中をお見通しだと言わんばかりの彼から、何も言わずに視線を逸らした。


確かに、瑠花を独占しようとする度に邪魔が入る事に、歯痒い思いをしているのは事実。


正月は瑠花を連れて実家に帰ったものの、両親に彼女を占領されて密かに不満を抱いていた。


瑠花と両親が仲良くしてくれるのは嬉しいけど、出来ればいつだって彼女を独占していたい。


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