ラピスラズリの恋人
瑠花は、そろそろランチタイムだろうか。


今朝別れたばかりの彼女にもう会いたくなって、そんな自分に苦笑が漏れた。


「重症だな……」


「え?」


ポツリと呟くと、相模が首を傾げて俺を見た。


「何か仰られましたか?」


どうやら離陸直後の騒音のせいで聞き取れなかったようで、俺としてはマヌケな独り言を聞かれずに済んでホッとする。


「いや、何でもないよ。……それより少し眠るから、頃合いを見て起こしてくれないか」


「わかりました」


窓から見える街が、小さくなっていく。


瑠花が過ごしている場所との距離を感じながら、そっと瞼を閉じた――…。


< 41 / 100 >

この作品をシェア

pagetop