ラピスラズリの恋人
思わず、息を呑んだ。


数年前に初めて見た、俺の心を救ってくれた少女。


その彼女が、こんなにも近くにいる。


ただ、あの頃はあどけない少女だった彼女に幼さは無く、その横顔は凜とした“女性”そのものだったけど、あの時と同じように心が掴まれた気がした。


誰かを待っているのか、それとも俺と同じように一人なのか…。


それを考えた時には、既に瑠花に声を掛ける口実を探していた。


理由なんて、何でも良かった。


ずっと遠くから見つめているだけだった少女を初めて間近で見て、それまで抱いていた『彼女が幸せならそれでイイ』なんて気持ちを忘れてしまっていた。


だけど…


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