ラピスラズリの恋人
「理人?」


いつの間にか電話を取り返したらしい英二に、再びため息をつく。


「心配するなよ、こっちはこっちで楽しくやってるから。それよりさっさと仕事を片付けて、瑠花ちゃんの所に帰って来てやれ。瑠花ちゃん、態度には出さないけど結構寂しがってると思うぞ」


不満でいっぱいなのに、最後の言葉につい口元が緩む。


「明日には帰るよ。その前に声を聞こうとしたら、お前達が邪魔したんだろ」


それを隠すように呆れた口調で言えば、英二がククッと笑った。


「理人、今ニヤけてるんじゃない?」


「……煩い」


バツが悪くなった俺は、目の前にいもしない英二を睨むように眉を寄せた。


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