ラピスラズリの恋人
瑠花の為にお土産を選びながら、時間ばかりが気になる。


どんな物なら喜んでくれるだろうと考えるよりも、早く会いたいと思う気持ちの方がずっと強い。


重症な自分に呆れながらも、何とか今日中に瑠花に会えないかと考えていた。


今日は土曜か……


瑠花は休みだし、今夜会えるか訊いてみるか……


途中、観光に来ているらしい数人の日本人女性に声を掛けられ、適当に会話をして躱(カワ)した。


瑠花とは似ても似つかない彼女達が瑠花なら良かったのに、と思ってしまう自分を自嘲する。


結局、買い物を楽しむ気分にもなれなかった俺は、瑠花への物以外に必要なお土産を性急に選んで空港に向かった。


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