ラピスラズリの恋人
グアムでの事を話すと瑠花が微笑みながら相槌を打ち、その後で昨日の出来事を話してくれた彼女に同じように返した。


ただ、悶々としていた俺を余所に、瑠花は英二や間宮達と楽しんでいたのかと思うと、やっぱりその場にいられなかった悔しさは拭えなかったけど…。


「夕食もワインも、美味しかったよ。ご馳走様」


「良かったです」


安堵の笑みを零した瑠花が、少しだけ反芻(ハンスウ)するような表情を見せた後で、戸惑いがちに口を開いた。


「あの、理人さん……」


「ん?」


口ごもる瑠花に、首を傾げて微笑んで見せる。


眉を下げる彼女の表情には、不安の色も混じっている気がした。


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